2010年02月18日

日本ペンクラブ: 若松で「平和の集い」 

 作家や詩人らでつくる日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は来年3月5日、福島県会津若松市の會津風雅堂で「平和の日の集い」を催す。県内では初の開催。著名な文化人による対談などが予定され、平和の大切さを訴える。
 世界組織の国際ペンが「平和の日」と位置付ける3月3日の前後に、日本ペンクラブは昭和60年から毎年、全国各地で「平和の集い」を実施。所属する文化人が出演し、一般に公開される。
 来年の開催地に会津若松市が選ばれたのは、クラブの役員を長く務め一昨年亡くなった直木賞作家早乙女貢さんの推薦。「会津士魂」の著作があり、会津まつりの会津藩公行列に参加するなど愛着を感じ、生前「ぜひ会津で開きたい」と主張していたという。
 来年の出演者はまだ決まっていないが、例年は作家ら四組の対談などが行われている。奈良市が会場の今年は阿刀田会長のほか、嵐山光三郎さんや浅田次郎さん、俵万智さんら豪華な顔ぶれ。
 今後、クラブは地元などと連携し、具体的な内容を調整する。入場無料が通例となっている。


【福島民報】
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国際ペンクラブ(International PEN)とは、文学を通じて諸国民の相互理解を深め、表現の自由を擁護するための国際的な団体だそうです。1921年に設立され、本部はロンドンにあります。
悲惨な戦争が繰り返されないことを願い、作家・文筆家の表現の自由を確立し国境を超えた相互理解と連帯を図るという主旨の下に生まれた団体です。

日本ペンクラブは、1935年11月26日に創立されています。当時の日本は、満州事変後に国際連盟を脱退して、国際的に孤立に向かう状況に置かれていました。それを憂う動きがリベラルな文学者や外交官の間にあり、ロンドンの国際ペンからの設立の要請を受けて、当時第一線で活躍していた作家、詩人、外国文学者、評論家の有志の賛同を得て、文豪島崎藤村を初代会長として日本ペンクラブが創立され、同時に、国際ペンの日本センターとしての役割を担いました。その後の日中戦争、太平洋戦争下で言論弾圧が厳しくなった時にも、日本ペンクラブはロンドンのセンターと連絡をとって、唯一世界への窓口であることを守り抜きました。
平和を希求し、表現の自由に対するあらゆる形の弾圧に反対するとの精神に賛同するP(詩人、俳人、劇作家)、E(エッセイスト、エディター)、N(作家)が集まり、独立自尊をモットーに活動をし続け、日本の言論界をリードしたそうです。歴代会長には、その時代を代表する作家が就任しています。
  


Posted by apollon at 17:56